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名取工業のよもやま話~育成~

皆さんこんにちは!
株式会社名取工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~育成~

ということで、型枠工事における人材育成の課題・原因・対策・実践事例までを深く掘り下げ、未来を支える人づくりについて考察します♪

 

【型枠工事の未来を育てる】

深刻な人手不足と、人材育成の在り方とは?

いま、型枠工事をはじめとする建設技能職種の多くが、慢性的な人手不足と技術継承の危機に直面しています。

特に型枠工事は、「力仕事」「高所作業」「精度要求の高さ」「一発勝負」といった特徴があり、若手が入りにくく、定着しづらい現場とされがちです。


なぜ型枠業界は人手不足が深刻なのか?


❶ 高齢化と若手不在の構造

  • 型枠大工の平均年齢は50歳超

  • 若年層(20〜30代)の割合は10%未満という現場も珍しくありません

  • 技能実習生に依存する構造もあり、育成が継続されにくい

📉 技能継承が“断絶寸前”の状態とも言われています。


❷ 体力的・精神的にきつい現場イメージ

  • 高所作業・重作業・炎天下での作業が多く、「危険」「汚れる」「きつい」=3K職場の代表格

  • 難解な構造図や加工図の理解が求められ、初学者にはハードルが高い

💬「こんな仕事、ずっと続けられない」と離れていく若者も少なくありません。


❸ 技術の“見える化”が進んでいない

  • 熟練者による感覚的・属人的な指導が多い

  • 作業の手順・意味・評価基準が曖昧なことも多く、成長実感を持ちにくい

📝 「何をどこまでできれば一人前か分からない」→ 離職の大きな要因です。


型枠工の育成で押さえるべき5つのポイント


✅ ① 図面読解力・計画力を段階的に育てる

型枠工は、ただ板を立てるだけではありません。

  • 構造図・加工図・割付図の理解

  • 数量拾い出しと段取り

  • 他職との干渉調整(鉄筋・配管・電気)も重要

📚 まずはパネル1枚の意味から学ぶステップ教育を整備しましょう。


✅ ② スキルの見える化と社内検定制度の導入

「できること」を可視化し、スキルに応じて評価・昇給することで、成長意欲を引き出せます

例:スキルマップ

レベル スキル内容
Lv.1 道具の名称を覚え、指示通り作業できる
Lv.2 パネル建て込みが一人でできる
Lv.3 加工図の読み取りができ、墨出し補助ができる
Lv.4 立体構造物の割付・加工ができる
Lv.5 加工帳作成・若手指導・現場管理ができる

📈 自分が今どこにいて、どこに向かっているかが分かることが、定着率を高めます。


✅ ③ 教える側の“育成力”を高める

熟練工がいても、「教えるのが苦手」では育成が進みません。

  • 指導の標準化:チェックリスト・動画教材・研修テキストの整備

  • OJT担当者の任命・評価制度

  • 「怒鳴る」から「伝える」へのマインド転換

👷‍♂️ “教える技術を持った型枠職人”が、これからの業界の柱になります。


✅ ④ 外国人技能実習生・特定技能者の育成環境整備

技能実習生は、今後の建設現場を支える大きな戦力。

  • 母国語での作業手順書、用語集

  • 写真付きマニュアル、動画教材

  • 安全教育と生活支援のセット導入

🌏 多国籍の職人を“一つのチーム”としてまとめる力が求められます。


✅ ⑤ “安心して働ける職場”をつくる

  • 社会保険・交通費・手当の明確化

  • 表彰制度、昇格制度、資格支援制度

  • 職長・管理職・独立支援制度の整備

💡「型枠は一生モノの仕事だ」と実感できる環境が、定着率向上に直結します。


現場の成功事例紹介


◆ 事例①:見習い3年で班長へ育成できた評価制度

  • スキルマップ+週1回のミニレビュー導入

  • 年2回の評価面談でフィードバック+昇給

📈 「成長を見てくれる」「評価してもらえる」という実感が定着率を押し上げた。


◆ 事例②:動画教材+iPad導入で外国人実習生が戦力化

  • 加工図・作業手順・道具名称をベトナム語付き動画で学習

  • スマホ・タブレットで反復学習できるようにした

🛠️ 「図面が怖くなくなった」「先に準備ができるようになった」と、3か月で一人作業デビューに成功。


“人を育てること”が、現場を育てること

型枠工事は、建物の精度・安全・仕上がりすべてに関わる、誇りある仕事です。
そしてこの仕事の未来を支えるのは、他でもない“人”です。

  • 技術を「見える化」

  • 評価を「仕組み化」

  • 人を「信じて育てる」

この3つが、人手不足の解消と技能継承の両方を実現するカギになります。

「人がいない」と嘆くより、「人が育つ場をつくる」ことが、今こそ必要なのです。

 

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