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月別アーカイブ: 2025年5月

名取工業のよもやま話~未来~

皆さんこんにちは!

株式会社名取工業、更新担当の中西です。

 

 

 

未来の型枠工事:進化する技術と持続可能な働き方とは?


前回は「型枠工事の環境と現場課題」について詳しくご紹介しました。今回はその続きとして、「型枠工事の未来」についてお届けします。

建設業界は今、テクノロジーと人の力を融合させながら、“スマート”かつ“持続可能”な時代へと進もうとしています。型枠工事も例外ではなく、大きな変化の波が訪れています。


◆ スマート型枠の時代がやってくる!

 

● BIM連携による型枠設計の効率化

  • 建築設計で主流となりつつある**BIM(Building Information Modeling)**を型枠設計にも導入

  • 設計図を3D化し、コンクリート量や型枠数を正確に算出

  • 誤差の少ない施工が可能になり、手戻りや無駄が減少

● デジタルプレカット&モジュール化

  • 型枠の部材をあらかじめ工場でカット・加工してから搬入

  • 現場では組み立てるだけで済むプレハブ型が普及

  • 作業時間・労働負担の大幅削減につながる

● ロボットによる自動組立や搬送

  • 自動搬送ロボット(AGV)で資材運搬を自動化

  • 試験的に「自動釘打ち機」や「自律組立装置」なども登場中

  • 高所作業の代替としても注目され、安全性向上に寄与


◆ 働き方改革と人材確保への挑戦

 

型枠工事の未来を考えるうえで、“人の問題”は避けて通れません。
いかに若者が定着し、誇りを持って働ける職場にできるか。それが業界全体の生き残りを左右します。

● DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用

  • 作業記録や出退勤をスマホで管理

  • 職長による指示もタブレットで共有し、ミス防止

  • 働き手の負担を軽減し、透明性ある現場運営へ

● 多様な人材が活躍できる現場へ

  • 女性大工の受け入れ・育成(軽量型枠の導入が追い風)

  • 外国人技能実習生とのコミュニケーション向上の取り組み

  • シニア層でも働ける部分業務の切り出し


◆ 環境負荷を減らす型枠の新しいカタチ

 

● 廃材ゼロを目指す“リユース型枠”

  • アルミ合金型枠などは、100回以上の使用が可能

  • 組立精度が高く、打設後の仕上がりも美しく再加工が不要

● 脱型不要のフォーム型枠技術

  • 解体せずにそのまま構造体として使える新技術

  • CO₂排出量削減と作業負担の軽減を同時に実現


◆ 型枠工事が担う“建物の品質”という未来

 

最終的に忘れてはいけないのが、型枠は「建物の完成度」を左右する大切な工程だということ。

  • 型枠がズレれば、壁が傾き、床が波打つ

  • 正確な型枠は、安全な建物、美しい仕上がりを保証する

だからこそ、これからの型枠工事は、“未来の建築を支える根幹”として、さらなる進化が求められているのです。


◆ まとめ:型枠工事の未来は、技術×人材×環境

 

  • BIM・ロボット・プレカットで効率と安全性アップ

  • デジタル管理と育成制度で働きやすい職場に

  • 環境配慮型型枠や再利用資材でサステナブルな施工へ

“型枠を組む”という行為が、未来の建築文化をつくる起点になる——そんな時代が、もうすぐそこまで来ています。

次回もお楽しみに!

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名取工業のよもやま話~環境~

皆さんこんにちは!

株式会社名取工業、更新担当の中西です。

 

 

 

型枠工事の“いま”を見つめる:現場環境と課題、その先にある責任


今回は「型枠工事の環境」についてお話しします。

建設現場で鉄筋コンクリートの構造体をつくるうえで、なくてはならないのが“型枠”。型枠工事は、建物の骨格を形づくる重要な役割を担っています。

しかしその一方で、作業環境は決して楽とはいえず、さまざまな課題や業界特有の問題もあります。今回は、その現状と環境的な側面にフォーカスしてお届けします。


◆ 型枠工事とは?

 

型枠工事とは、コンクリートを流し込むための「型」を設置・固定し、硬化後に取り外すまでの一連の作業を指します。
柱、梁、壁、スラブなどの構造体に応じて、型枠の種類や施工方法も異なり、高い技術と経験が求められます。

  • 木製型枠(コンパネ・桟木)

  • 鋼製型枠(パネル型)

  • システム型枠(再利用可能なユニット型)

使用する材料や道具も多く、手作業が中心となる場面も多いため、建設業の中でもとくに体力・精度・集中力が問われる職種です。


◆ 型枠工事の作業環境のリアル

 

● 屋外作業・高所作業が中心

  • 夏は猛暑、冬は極寒といった気象条件下での作業

  • 雨風や日射の影響を受けやすく、熱中症や凍傷などの健康リスクも

  • 高所での設置作業が多く、転落・転倒のリスクが常につきまとう

● 重量物の運搬・搬入

  • 合板や鋼製パネルなど、1枚あたり数十キロになる資材も珍しくありません

  • 荷揚げや資材の移動は重機を使うこともありますが、狭小地では人力頼みになることも

● 精密性が要求される作業

  • わずかなズレが後工程(鉄筋・コンクリ打設・仕上げ)に大きく影響

  • ミリ単位での調整や立体的な思考が求められるため、集中力が必要


◆ 現場の安全と環境対策の実情

 

型枠工事は非常に事故率の高い業種でもあります。厚生労働省の統計によると、建設現場における墜落・転落事故の多くは型枠作業中に発生しています。

● 墜落防止措置

  • 安全帯(フルハーネス)や手すり、作業床の設置義務化

  • 足場の点検・仮設構造物の強度チェック

● 粉じん・騒音への対策

  • 合板の切断・加工時に発生する粉じんや、釘打ち作業の騒音への苦情対応

  • 作業時間や場所の配慮、遮音パネルや集塵機の導入など、周囲との共存が求められています


◆ 環境配慮型の資材と工法も登場

 

近年では、型枠作業にも環境に配慮した資材や工法が導入され始めています。

  • 再生木材や再利用可能なコンパネの活用

  • アルミ製型枠:軽量で繰り返し使え、資源節約に寄与

  • 脱型剤の改良:環境負荷の少ない植物性や水性タイプにシフト


◆ 人材不足と高齢化も深刻

 

型枠大工は「職人の世界」であり、若手の定着が難しい現状も課題です。

  • 経験値がものをいう業界で、育成に時間がかかる

  • 3K(きつい・汚い・危険)なイメージが根強く、若者が敬遠

  • ベテラン職人の引退が進み、技術継承が急務


次回は、こうした課題を乗り越えるために、技術革新やスマート建設、そして新しい働き方がどう未来の型枠工事を変えていくのか、詳しくご紹介していきます!

次回もお楽しみに!

 

 

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