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皆さんこんにちは!
株式会社名取工業、更新担当の中西です。
今回は「型枠工事の環境」についてお話しします。
建設現場で鉄筋コンクリートの構造体をつくるうえで、なくてはならないのが“型枠”。型枠工事は、建物の骨格を形づくる重要な役割を担っています。
しかしその一方で、作業環境は決して楽とはいえず、さまざまな課題や業界特有の問題もあります。今回は、その現状と環境的な側面にフォーカスしてお届けします。
型枠工事とは、コンクリートを流し込むための「型」を設置・固定し、硬化後に取り外すまでの一連の作業を指します。
柱、梁、壁、スラブなどの構造体に応じて、型枠の種類や施工方法も異なり、高い技術と経験が求められます。
木製型枠(コンパネ・桟木)
鋼製型枠(パネル型)
システム型枠(再利用可能なユニット型)
使用する材料や道具も多く、手作業が中心となる場面も多いため、建設業の中でもとくに体力・精度・集中力が問われる職種です。
夏は猛暑、冬は極寒といった気象条件下での作業
雨風や日射の影響を受けやすく、熱中症や凍傷などの健康リスクも
高所での設置作業が多く、転落・転倒のリスクが常につきまとう
合板や鋼製パネルなど、1枚あたり数十キロになる資材も珍しくありません
荷揚げや資材の移動は重機を使うこともありますが、狭小地では人力頼みになることも
わずかなズレが後工程(鉄筋・コンクリ打設・仕上げ)に大きく影響
ミリ単位での調整や立体的な思考が求められるため、集中力が必要
型枠工事は非常に事故率の高い業種でもあります。厚生労働省の統計によると、建設現場における墜落・転落事故の多くは型枠作業中に発生しています。
安全帯(フルハーネス)や手すり、作業床の設置義務化
足場の点検・仮設構造物の強度チェック
合板の切断・加工時に発生する粉じんや、釘打ち作業の騒音への苦情対応
作業時間や場所の配慮、遮音パネルや集塵機の導入など、周囲との共存が求められています
近年では、型枠作業にも環境に配慮した資材や工法が導入され始めています。
再生木材や再利用可能なコンパネの活用
アルミ製型枠:軽量で繰り返し使え、資源節約に寄与
脱型剤の改良:環境負荷の少ない植物性や水性タイプにシフト
型枠大工は「職人の世界」であり、若手の定着が難しい現状も課題です。
経験値がものをいう業界で、育成に時間がかかる
3K(きつい・汚い・危険)なイメージが根強く、若者が敬遠
ベテラン職人の引退が進み、技術継承が急務
次回は、こうした課題を乗り越えるために、技術革新やスマート建設、そして新しい働き方がどう未来の型枠工事を変えていくのか、詳しくご紹介していきます!
次回もお楽しみに!