-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー

皆さんこんにちは!
株式会社名取工業、更新担当の中西です。
1️⃣ 図面を“優先順位”で読む
型枠は設計意図の実体化。したがって図面の読み方は、単に寸法を拾う行為ではなく、どの情報を優先するかの判断です。基本の優先順位は次のとおり。 1. 構造図の基準(通り芯・GL・スラブレベル・打継ぎ位置)
2. 意匠図の仕上げ基準(見付・見切り・割付・アール)
3. 設備図の貫通・インサート・スリーブ位置
4. 施工計画書(型枠支保工計画・搬入計画)
→ 矛盾は必ず起きる前提で、職長は「どの基準に寄せるか」を最初に宣言しておくのが肝。
2️⃣ 墨出しの準備(測量・基準確立)
• 一次基準:ゼネ側基準点(BM)・通り芯の受領確認。受領書式に“誰から・どこで・何を”明記。
• 二次基準:各階で増設BM(柱・壁に釘+ペイント)、仮BMは原則使い捨て。
• 機器:オートレベル/トランシット/レーザー。気泡管ゼロ点・気温順応(10〜15分)をルール化。
• 誤差源:脚頭の沈み、三脚の緩み、受光器のオフセット、温度伸縮(鋼尺は日向NG)。
3️⃣ 墨出しの手順(基本)
1. 通り芯を確定:外周で“□”を閉じ、対角長で整合(差は±3mm以内が目安)。
2. レベル墨:GL=±0の基準を壁/柱に複数箇所。階ごとに+1,000mmの見やすい基準も併記。
3. 型枠外面ライン:コンクリート躯体寸法から面材厚・見切り材厚を差し引き。
4. 開口・スリーブ・インサート:施工図の“5点合わせ”(中心・下端・高さ・見付・ピッチ)を現地に変換。
5. 写真記録:スケール・通り表示・レベル墨・指示書を同一画角で。
4️⃣ 応用——階段・R壁・斜め壁の墨
• 階段:基準段(1段目)を“踏面先端”基準で描く。蹴上げ補正(仕上げ厚・塗床)を忘れない。
• R壁:芯半径→型枠外面半径へ補正。分割角度=パネル有効幅/円周で割付。
• 斜め壁:傾斜角θの鉛直投影を先に決め、セパの直交性が崩れないよう治具を用意。
5️⃣ 墨出し台帳(再現性の鍵)
• 項目:日付/階/通り/基準点/BM高/使用器材/気温/担当/確認者/誤差補正。
• ルール:“測る人”と“書く人”を分ける、昼休み/打設後に再測、消える墨は即保護。
6️⃣ 失敗→是正の定石
• 通り芯ズレ:両端で±5mm以上ならどちらに寄せるか監督と即決。芯ズレ吸収のため二重枠。
• レベル段差:天端化粧部は±3mm以内、非化粧は±5mm以内を目安。天端型枠の押さえを増し。
• 開口位置違い:型枠内から見える化(赤スプレー・タグ)。前日/当日でダブルチェック。
7️⃣ 明日から使えるチェックリスト✅
☐ 通り芯は対角寸法で照合したか
☐ レベル墨は複数の壁/柱に残したか
☐ 仕上げ厚・見切り材厚の差し引きは反映済みか
☐ 階段は踏面先端基準で描いたか
☐ 開口・スリーブの5点合わせを現場共有したか
☐ 写真は根拠が写る角度で撮影したか